8|BOOK STUDY 3
本はなぜ世界に必要なのか:本を読むこと、つくること、売ることの実践から再考する
本を読むこと、つくること、売ることの三位一体で「本」を捉え直すことで、普段なにげなく接している本の解像度を上げる試みです。
ORDINARY BOOKSは、「読む(選書)」「つくる(編集)」「売る(流通)」を通して本と関わり、本を生業としています。これら3つの実践を紹介しながら、参加者に「本とはなにか」をお伝えします。
ひとくちに本といっても、企画、執筆、撮影、編集など様々なプロセスが存在し、著者、編集者、グラフィックデザイナー、印刷所などを経て、ようやく読者の手元に届きます。多くの人が関わり逡巡と推敲が重ねられた「本」というメディアには、確かな強度が宿っています。
出版不況や本離れが叫ばれる今、あえてフィジカルな本をつくることには、どのような意味があるのでしょうか。本の普遍性と有用性を再考し、「本はなぜ世界に必要なのか」を探ります。
日時:①12/5㈯ ②1/16㈯ ③2/13㈯ 各14:00-16:00
会場:新開地アートひろば(神戸市兵庫区新開地5-3-14)Google Map
定員:60人
料金:2,500円
講師:三條陽平(編集者/ブックディレクター)
8-① 批評する:本の読み方と選び方
2026年12月5日㈯ 14:00-16:00 新開地アートひろば
講座内容:
かつて本は、人の判断や読み解く力、倫理観や道徳心を養う役割を長い間担ってきましたが、近年は生成AIサービスの台頭により、人の知能や知性はAIに取って代わられようとしています。本と本屋の来歴を知ることから始め、過去、現在を探り、これからの本の在り方を模索します。また本の読み方のケーススタディを紹介し、1冊の本がどのように派生し、数多の世界へと繋がっていくかの選書ワークショップを実施します。
トピック:
・本と本の歴史
・没頭型読書と実利型読書/エンタメ小説と純文学
・本を読み解く/批評する
・本の選び方/選書ワークショップ
8-② つくる:目的ではなく手段としての本づくり
2027年1月16日㈯ 14:00-16:00 新開地アートひろば
講座内容:
本は、一部の特権的な人だけがつくるものではなく、「伝えたい」「残したい」という気持ちがあれば、誰もがつくれるものになりました。しかし近年は、つくることが目的化した印刷物を多く見かけます。本は表現方法のひとつであり、出版とは手段です。本をつくることのその先にある世界を描くため、姿勢と態度の表明。出版することの本来の意義を再考します。
トピック:
・本をつくることの始まり
・zineとはなにか
・編集者、デザイナーの役割
・手段としての本の実例紹介
8-③ 届ける:流通とプラットフォームとしてのブックフェア
2027年2月13日㈯ 14:00-16:00 新開地アートひろば
講座内容:
本をつくる人が劇的に増えたことで、個人出版による出版点数も数えきれないほど増えています。一方で出版物を売る現場はというと、2003年には約2.1万店あった書店と本屋は、2024年には約1万店と20年間で約半数に激減しています。つくる側は増えているのに売る側は減っている、つまり需要と供給のバランスが崩壊しているのです。ではどのように本を売っていけばよいのか、近年の事例を紹介し、健全なブックビジネスを模索します。
トピック:
・出版流通の仕組み
・本を売る/書店・本屋への営業
・売るための条件(内容、判型、価格)
・ブックフェアのつくり方
講師紹介
三條陽平(編集者/ブックディレクター)
ORDINARY BOOKS代表。1987年生まれ。代官山 蔦屋書店でアートブックのバイヤー、有限会社BACHでブックディレクターを経て2022年独立。公共図書館や宿泊施設、企業ライブラリーの選書やアートブックの編集を軸に活動。ブックディレクションでは岐阜県可児市の公共図書館「カニミライブ図書館」を手掛ける。
出版した書籍に宇平剛史(著)『Cosmos of Silence』、編集/執筆を手掛けた書籍に『造本設計のプロセスからたどる 小出版レーベルのブックデザインコレクション』(グラフィック社)、『Sandwich | KOHEI NAWA』(Sandwich Inc.)がある。
Instagram:@sjyh_ordinarybooks
Web:https://www.ordinarybooks.com
※BOOK STUDYとは
ARTS STUDYの本づくりに関する講座シリーズ。
座学、ワークショップなど、個々に独立しながら連携する内容です。
神戸に本のあらたな循環を生む文化インフラづくりを目指す講座です。
■ 3講座の関係性
BOOK STUDY 1. 基礎 本の構造を知る(松永)→ 本というメディアの“身体”を理解する
BOOK STUDY 2. 再発明 あり得たかしれない本の姿を創造する(秋山)→素材と機構の関係性の中に内容を呼び込む
BOOK STUDY 3. 実装 本が社会に届く道筋を知る(三條)→ 本の“社会的な意味”を再考する



