「窓を開ける」「咳をする」「何もしない」――書かれた行為を実行することが、演奏になります。
演奏する、とはどういうことでしょうか。
フルクサス(Fluxus)は1960年代に生まれた芸術運動で、流れる、変化する、そして下剤にかける、という意味を持ち、音楽・美術・日常の境界を意図的に攪乱し続けました。その作品には、言葉で書かれた楽譜の形をしているものがたくさんあります。この講座ではそれらの楽譜をもとに、参加者と共にシンプルな行為を実践します。そして、今もわたしたちの中で「音楽」の基準となっている西洋音楽の自明さを、ほどきたいとも思っています。
既にある正典を問い、自らの正典化も拒むような性質を持つこれらの作品から、何かを感じられるかもしれないし、何もないかもしれません。
①10/24㈯ ②11/7㈯ ③12/19㈯ 各14:00-16:00
会場:KOBE STUDIO Y3(神戸市中央区山本通3-19-8 海外移住と文化の交流センター3階)Google Map
料金:各回3,900円 サポーティングメンバー/学割:各回3,500円
定員:18人
講師:山根明季子(作曲家、アーティスト)
11-① ラ・モンテ・ヤング: Composition 1960より(1960)
2026年10月24日㈯ 14:00-16:00 KOBE STUDIO Y3
ドローンミニマリズムの実践者であるヤング。蝶を放て。観客を観て聴け。ひとつのシンプルな状況による、最小限の指示によって「音楽」をします。
11-② 塩見允枝子: Boundary Music (1963)
2026年11月7日㈯ 14:00-16:00 KOBE STUDIO Y3
音と音でないものの境目。笑顔という形あるものを少しずつ消していく。同じことを異なる媒体で表現(トランスメディア)する塩見の指示とともに、境界を遊び、奏します。
11ー③ オノ・ヨーコ: Line Piece (1964)
2026年12月19日㈯ 14:00-16:00 KOBE STUDIO Y3
線を引け、線を消せ。インストラクションによる作品の非物質化。オノの指示は時折、破壊のそばに立たせます。壊したり、それでも続けたりします。
講師紹介
山根明季子(作曲家、アーティスト)
五線からテキストスコア作品まで横断的に制作するほか、企画監修、空間制作、パフォーマンスを通して、音を介した探究と対話の場をつくっている。
これまでTRANS-神戸、国立国際美術館、のせでんアートライン、国際芸術祭あいち、森美術館ほかで、グレゴール・シュナイダー、アローラ&カルサディーラらの作品を演奏・出演。作曲作品はサントリーホールサマーフェスティバル、ワルシャワの秋、ムジカノヴァヘルシンキなど各地で上演されている。
監修公演に「塩見允枝子 performances & visual works 2021 神戸」、神奈川県民ホール「ジョン・ケージ x 山根明季子」(2022)、両国アートフェスティバル2024「二次創作」など。


