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●11:00〜20:00/火曜日休館 ●〒650-0003 神戸市中央区山本通3丁目19-8 ●caphouse@cap-kobe.com ●TEL,FAX 078-230-8707

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「CAP HOUSE便り」vol.2

「誌上CAP HOUSEツアー!」

現在、C.A.P.が活動拠点にしている旧神戸移住センターは、昭和3年に建てられました。海外へ移住する人たちが日本全国からここへ集まり、予防注射やビザの発行、簡単な語学研修を受け、身の回りの生活道具を買いそろえて、メリケン波止場から旅立ったそうです。
多くの移住者を見送ってきた建物は、その後、准看護学校および宿舎となりました。そして震災後は、一部が海洋気象台として使われていたこともあります。そして現在、さまざまなアーティストたちの制作の場として、新しい役割を担っているのです。

■「どこにあるの?」
トアロードのてっぺん、山本通3丁目の交差点を左に曲がって約100メートルくらい行った山側に、「CAP HOUSE」の垂れ幕をおろした建物があります。入口には青色の案内塔が立っていて、展覧会や催しのポスターがその都度貼られています。

■「1階」
玄関を入ると、ホール右手に受付があり、CAP HOUSE館長の下田さんと、管理人の渡辺さんが迎えてくれます。C.A.P.の事務仕事と併せて、移民資料室に来られたお客さんにも対応されています。
左手の大きな部屋は、リビングルームです。以前は、食堂として使われていたそうですが、今は一緒に集まってお昼を食べたり、仕事の合間に一息入れたり、お客さんがお茶を飲んだりと、CAP HOUSEの憩いの場所になっています。時には、展覧会やコンサートの会場、また映画の上映にも使用されます。
その奥には、CAPカフェ「鳴海珈琲研究所」があり、マスターの鳴海さんが独自に開発した焙煎機を使って、日夜珈琲の研究が行われています。絶品のコーヒーは密かにファンを増やしつつあります。ぜひ、一度お試しください!

■「2階」
2階はパブリックスペースです。図書コーナーに、海側、山側、+1と、タイプの違う3つのギャラリーと、印刷室、写真の現像室、ガムランクラス、CAPのミーティングルーム、版画工房室など、いろんな機能を持った部屋が集まっています。そうそう、去年秋には録音室も完備されました。

■「3階〜4階、そして新たなスペースも登場」
3階、4階はアトリエスペースです。廊下を挟んで大小18のアトリエが並んでいます。インドの笛バンスリーを練習する井上想さん、映像を作品にしている潤井一壮さん、子どものワークショップを活動にしているマスダマキコさん、画家の上村亮太さんなどなど、さまざまなジャンルのアーティストが制作を行っています。
来館されたお客さまが皆さん驚かれるのですが、各アトリエのドアはどこも開けっ放しになっています。制作途中の作品を前に、アーティストとおしゃべりしたり、散らかったアートの現場に立ち会えるのも、CAP HOUSEの大きな魅力です。
そして、新しく建物の裏手に陶芸用の電気窯を設置することになりました。アーティストの制作範囲をさらに広げるだけでなく、たくさんの人に作る楽しみを見つけてもらいたいなと思っています。

6年前にこのプロジェクトをスタートさせたときは、カビだらけホコリまみれのこの建物が、こんなに居心地良い場所になるとは思ってもいませんでした。当時、C.A.P.の持ち物は、たった1台のパソコンと、段ボール箱4個分の荷物で、あとは移住センター当時の古い家具に、准看護学校時代の学習机といす、海洋気象台が引っ越しのときに置いて行った什器など、もともとここにあったモノたちでした。今、この建物が、なぜか懐かしくて時間が止まっているような、不思議で居心地の良い空間になっているのは、きっと、建物やモノが持っている魅力を最大限に生かす“アーティストの技”なのかもしれませんね。なお、冷暖房設備は完備されていませんので、ご来館になるのは季節の良いころがお勧めです。

■次回からは、CAP HOUSEをめぐるいろいろな人に登場してもらいます。お楽しみに!

>>「CAP HOUSE便り」vol.3


(C)2002-2004 CAP HOUSE プロジェクト • 特別非営利活動法人「芸術と計画会議(C.A.P.)」