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●11:00〜20:00/火曜日休館 ●〒650-0003 神戸市中央区山本通3丁目19-8 ●caphouse@cap-kobe.com ●TEL,FAX 078-230-8707

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「CAP HOUSE便り」vol.4 山村幸則

今回の登場は、CAP HOUSEの310号室をアトリエに制作活動をされている山村幸則さんです。
山村さんはたびたび海外へ出かけて行っては、そこでしかないものを題材に、現地の人たちと作品制作をしてきます。そして、帰国のたびにCAP HOUSEで開かれる報告会も恒例となってきました。一見スマートな山村さんですが、その行動力と説得力には、いつも驚かされています。

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■310号室:山村幸則です
私とC.A.P.との出会いは2001年の春。それから、もう5年の月日が流れました。その間、海外と日本の間を何度も往復して作品制作を続けてきました。大学では陶芸を専攻していましたが、今は素材や手法にこだわらず作品を作っています。C.A.P.での活動と海外での経験が、自分の考え方と制作の幅を広げてくれています。

■山のふもとの港
 今から9年前、初めて飛行機に乗りノルウェーへ。その後、ハンガリー、アメリカ、タイ、フィンランド、イラン、エストニア、ケニヤ、ドイツなどを歴訪。すべて作品制作が目的で、各国での滞在期間も1〜3カ月、時には1年以上になることもありました。アイデアも素材も、すべて現地調達という制作スタイルを続けてきました。
海外でも、アーティストを受け入れるいくつかのスタジオに滞在し、制作活動を行ってきたので、C.A.P.の存在と活動がいかに特別であるかを実感しています。
CAP HOUSEは、旧神戸移民センターの歴史も重なり、ここにやって来る人とここから出てゆく人の行き交う様は、まるで港のようです。どれだけ多くの人がこの場所を通過してきたかと思うと、今、実際に毎日自分がここに居られる時間をとても貴重に思います。

■僕のおすすめ
僕は古いものに興味があります。日本の骨董屋さん、海外のアンティークマーケットに立ち寄ると、ワクワクドキドキ。まるで宝探しのように時間を忘れ、ガラクタの中を物色してしまうのです。長い時間を経て、今もなお存在するものに歴史を感じたとき、それが自分にとって特別なものとなります。その点、CAP HOUSEは建物自体が骨董品と言えるでしょう。そして、館内のさまざまな場所に歴史を感じることができるのです。
夏は暑く、冬は寒い、そしてちょっと怖いと三拍子そろっていますが、骨董品の中で毎日自分が過ごしていることを、たまらなく幸せに感じるのです。それではここで館内の「僕のおすすめ」ポイントをいくつかご紹介しましょう。
まず、館内に入り階段を上がると、途中に窓があります。そこから見える赤くさびた巨大なタンク。今はもう何の役目も果たしていませんが、そこで静かに存在していることがとてもカッコイイ!!!
 次に、建物の天井を見上げると、塗装のはく離や鍾乳洞にあるような小さなつらら状の物体を見つけることができます。それらは長い年月が作り出した造形物です。
 最後に、建物を覆うツタの美しさについて。窓際まで伸びたツタの葉は、室内に柔らかい緑色の光を運びます。いろいろな方向に枝葉を広げるツタの勢いは、まるでC.A.P.の活動を見るかのようです。

■燃える夏到来
燃えることは消防士の皆さんにとって大敵でしょうが、実は僕の今年の夏は燃えています。来たる8月6日(日)、C.A.P.共催で神戸市立相楽園にて「アート 遊山)」と題した催しを行います。今回僕は「人マツ人」というコケと松の造形作品で、日本の美の再発見を試みようと思います。その他、CAP HOUSE301号室の井上想さんと、東京の大宮前郷土芸能保存会の方々によるお神楽の演奏と舞、そして、手作りの素焼き灯籠やタテバンコの展示など、内容は盛りだくさんです。古典芸能とアートで、夏の夕涼みを満喫して頂けたらと思っていますので、ぜひ皆さんお越しください。

 


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