オチモトコ OCHI Motoko (立体造形、インスタレーション)

photo:Futoshi Higashino

 今から30年も前のこと、私は屋久島で、生命みなぎる大木と出逢った。若かりし頃の私は、その日以来、無我夢中で木と対話し、身近な人々をモデルに作品を彫り続けてきた。大木を深く彫り進めるという行為が、人間の真髄を理解する道のように感じられていたのかもしれない。
 木の年輪とともに年を重ね、私のライフスタイルも少しずつ変化していった。結婚、出産、子育て、介護——そして一時、アートから離れる時間。その過程で、さまざまな「生きづらさ」を抱える人々とともに過ごし、私は人類共通の葛藤や、目には見えない「しがらみ」や「支配」の存在を目の当たりにしてきた。
苦しみを理解し、分かち合いたい。しかし、知ろうとすればするほど押し返される日々。どうすれば人
は、この無言という圧から解放され、自由になれるのか——私は日々、自問自答を繰り返してきた。
 そうして今、長い時を経て、私は再びアートと向き合っている。粘土やワイヤーの立体造形は、型にはまらない自由と縛りからの解放を体現し、光と影のインスタレーションは沈黙の奥に潜む心の動きを映す。私のつくり出す空間が、私自身だけでなく、愛する人、そして誰かの心をそっと開く鍵となることを祈っている。

神戸元町中心に、京阪神のグループ展や芸術祭などで活動中。
Instagram:@motonoso


1985年 河合塾美術研究所(名古屋)で奈良美智氏らに師事、アートの世界に強く興味が沸く
1990年 京都芸術短期大学立体コース卒業。卒業制作展〈入賞〉芸術系大学選抜展出品
1992年 西宮市展出品〈入選〉(西宮市民ギャラリー)
1993年 成安女子短期大学専攻科立体造形コース卒業、在学中宮崎みよし氏らに師事
1993年 森へいつか 個展(京都 ギャラリーマロニエ)京都新聞展評掲載
1993年 こうべ市民美術展出品〈神戸市長賞〉(サンボーホールなど)神戸新聞インタビュー掲載
1995年 Life春からの手紙 個展(大阪 信濃橋画廊5)阪神淡路大震災直後に開催
2024年 カオスDEカオズ(神戸 喫茶蛙や木琴)企画個展
2025年 Regeneration 個展(神戸 自在空間ArtStep)
2025年 「わ」 個展(立花 スペース〇〇)