アート林間学校最終日!!
この日は一番講座数が多く、全10講座が開講されました。
特にテーマは設けず、各講師のやってみたいことが集まった一日となりました。
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16:「デカルコマニー採集だぞ!夏のヘンテコ図鑑を作ろう!」
講師:藤川怜子(美術家)
対象:知的障がいのある方
知的障がいのある方を対象とした講座をやりたい!と、早い段階から企画をあげてくれていたのはスタジオアーティストの藤川さん。普段は特別支援学校で美術の先生もしています。
合わせ絵の技法(デカルコマニー)を使って、オリジナルの昆虫図鑑を作ります。
デカルコマニーで現れる不思議な模様を昆虫にしてしまおう!というこの講座。
手順を書いたプリントに沿って流れを説明します。普段から教えているだけあって慣れてますね、藤川先生!
あまり難しいことは考えず、えのぐをむにゅっと紙につけたらパタンと重ねるだけでOK!
広げてみると面白い模様ができていました。乾かしたら目玉シールをつけるよ。
最後はみんなでお披露目会です。自分だけのヘンテコ昆虫図鑑ができたね!!
17:「飾りパンを作ろう〜形から見たパンの世界〜」
講師:森田優希子(工芸作家)
対象:小学4年生〜大人
4月からスタジオで活動している森田さんは、パン型のランプシェード『パンプシェード』という作品を作っています。
パンが好きで好きで大好きで、食べるだけにとどまらないパンの魅力を発信している森田さんが考えてくれて講座はやっぱりパンに関する講座でした。
何百種類とあるパンの中でも、成形しやすい飾りパンの生地を使って飾りやアクセサリーを作ります。
さすがに参加者は全員女子でしたね。遠方ではなんと徳島から参加の方もいました。
まずは一番ベーシックな生地作りに挑戦。
あらかじめ用意してくれていた違う色の生地も使って成形します。
粘土感覚で成形できるので三つ編みなんかも簡単にできてしまいます。
しっかり焼き締めたら完成です!会場内にはしばらくいい香りが漂っていました〜
18:「干物ドローイング」
講師:川口奈々子(画家)
対象;小学生〜大人
液体のりが乾燥してぱりぱりになっているところを見たことがある人も多いのではありませんか?
そんな現象を使って作品を作っているのはスタジオアーティストの川口さん。
まず、和紙に水性ペンで絵を描いていきます。
その絵の上から液体のりをヘラでまんべんなくぬっていくと、水性ペンで書いたところが少しにじんで独特の風合いが。
普段は自然乾燥させているそうですが、今日はワークショップということで扇風機を使って乾かしていきます。
乾くと紙に透明感がでてにじみ具合がストップします。干物みたいにぱりぱりの不思議な絵が完成しました〜
19:「マスキングテープで部屋に絵を描こう」
講師:梶山美祈(美術家)
対象:小学3年生〜大人
静かな盛り上がりを見せていたのはこちらの講座。
最近かわいい柄やキャラクターモノなど様々な種類があるマスキングテープを使って絵を描いてみよう!と言う講座なのですが、会場には大小、高さも様々な障害物が・・・
まっすぐな線のはずなのに段差や壁にぶつかってできてしまう角度によって、少し離れてみると曲がって見えたり立体的にも見えてきます。あら不思議!!
高学年の女の子2人は早くも面白さを理解したようで、黙々と線を引いていました。
写真を撮ってみても不思議な現象がはっきりわかるよ、と講師の梶山さん。
最終的には本当に絵を描く子も現れたりして、カラフルなお部屋になりました。
20:「わたがしおばけ」
講師:木村たけし(造形作家)
対象:小学生
今年も金沢から木村たけしさんが面白いワークショップをひっさげてやってきてくれましたよ!
わたがしをつかっておばけを作ろうというこの講座。本当は「おばけの日」に参加したかったんですが都合がつかず、それでもおばけネタで!ということで考えてきてくださいました。
最初に「おばけのてんぷら(作・絵 せなけいこ)」を読み聞かせてもらいました。主人公のうさぎさんが天ぷらを作っているとこにつまみ食いをしにやってきたおばけがうっかり天ぷらにされそうになる・・・というなんともエキセントリックなお話であります。
おばけのイメージもわいてきたところで、まずはおばけの顔のパーツを作ります。オブラートに食用色素で目や口を書いていきます。
いよいよわたがしで形を作っていきます。膨らませたビニール袋やストローを骨組みにして、その周りにわたがしをつけていきます。浮いているように見えるのは骨組みをテグスで釣っているからです。
木村さん自作のわたがし製造機も登場!タミヤモーターの先に穴の空いた紅茶の缶を付けただけという簡単な仕組みで、様々な実験と改良を重ねこどもでも安全に使えるものができました。ビバ★タミヤ。いや〜木村さんの研究心と細やかな配慮には頭が下がります。これで砂糖と色紅を一緒に溶かし、カラフルなわたがしを作りました。
完成してもそのまま形を残しておくのは難しいので、最後は写真を撮って図鑑におさめました。名前を付けたり特徴を考えたりと、ここでもこども達のアイデアが光ります。
21:「新聞紙でドーモ・ドーモ」
講師:平田隆行、稲地秀介、室﨑千重(建築研究者、建築家)
対象:小学生
昨年のリベンジ!ということで、平田さん率いる建築研究者チームが今年もやってきてくれました。
正三角形に近い形を組み合わせていくことでドームをつくります。しかも素材は新聞紙とプラスチックのボルトとナットのみ。材料もかなりお手頃です。
まずはたくさん新聞紙を丸めて棒状にし、両端に穴を開けていきます。昨年参加してくれた子もいたりして、参加者も一緒にリベンジとなりました。
見本を見ながらまずは小さいパーツを作っていきます。ここで間違ってしまうと後々大変なことになるんですよね。
昨年よりは大きくなったか!?というところでアクシデントが!!!!
なんと工作棟のエアコンが急に壊れてしまい、暑さと湿気にやられたのか新聞紙がどんどんフニャフニャに・・・
講座が終わって覗きにきた木村さんもお手伝い。
結局グニャグニャになってしまって自立はできなかったけれど、今年はなんとか全てつながりました。
暑い中みんなでよくがんばりました!
22:「未来絵日記」
講師:矢野衣美(画家)
対象:小学生〜大人
夏休みの宿題の定番といえば絵日記ですよね。
絵日記は本当の出来事を描かなければいけませんが、自分が「こうなったらいいな〜」という出来事を描けるとしたらどんなことを描いてみたいですか?願えばいつか本当の事になるかも!?ということで、空想の3日間の出来事を絵日記描いてみます。
子どもって空想の物語を考えるのみんな好きですよね。すらすらと描きはじめます。
雑誌を切り抜いてコラージュなんかもOK!
完成したらみんなで物語を発表しました。講師の矢野さんからするどいツッコミが入ります。
洞窟へ探検にでかけたり、宇宙へでかけたり、壮大な物語となりました。いつか本当の出来事になるかもしれませんね。
23:「おしゃれ工作〜紙と布で花かんむりを作る」
講師:上村幸(手芸家)
対象:小学3年生〜大人
子どもから大人まで、女子に大人気の講座となりました。
講師を務めたのはY3で不定期開催しているチェリーの手芸教室でもおなじみ、チェリー先生こと上村さんです。
巷の女子達の間で流行っている!?らしい、花かんむり作りに挑戦します。
まずはお花作りから。布を重ねて切るだけで花形の布を作ります。それらを組み合わせたり、雄しべのようなパーツをつけながら、お花をいくつも作っていきます。
柔らかい針金で頭の大きさに合わせてわっかを作り、それに作っておいて花をつけていきます。最終的には手前にある茶色いテープで針金などがあたらないように巻いていきます。
日頃から手芸やものづくりが好きな子が多く、作業は黙々と進んでいきます。
最後はみんなで記念撮影。とっても華やかな講座となりました。
24:「なんでもかんでもオブジェ」
講師:藤川怜子(美術家)、築山有城(彫刻家)
対象:小学3年生〜大人
日頃の制作で出た木片や紙切れ、使わなくなったスプレーなど、いわゆる廃材を使ってオブジェをつくりましょう!という講座です。
これまで藤川さんが考える講座は小学生男子に大人気だったので今年もそうなのかと思いきや、ふたを開けてみたら受講者は大人2名・・・講師2名、受講者2名の贅沢な講座となりました。
受講者の方には机に並べられた廃材を見て「C.A.P.にはなんでも集まってくるのね〜」と声をかけられました。
壊れた傘を使って早くも作品の方向性が決まったようです。
あっという間にオブジェが完成しました!記念の一枚です。
夜会用の傘だそうで、傘の骨組みの間にはラッピングなどで使われているカラフルなクッション材が、持ち手のすぐ下にはキラキラしたらアクセサリーがいっぱいついています。
もう1人の受講者はQ2で開催していたプラモ部によく参加してくれていた男の子です。久しぶりのイベント参加です。
何を作ったらいいのかずっと悩んでいましたが、ようやく何を作るか決めたようです・・・
ミサイルののったケーキのオブジェと共に、「只今ダイエット中 但ケーキ差し入れ歓迎」の札が・・・。
なんとも複雑な気持ちになりますが、とってもユーモアのある作品が完成しました。
25:「おえかき探検隊」
講師:山本千尋(美術家)
対象:小学生〜大人
暗闇の中で絵を描いてみたらどうなるか、自分も一緒に楽しみたいと話していた山本さん。
初めての場所で真っ暗だとさすがに危ないかもというとで、こども達にはヘッドライトをつけて参加してもらいました。
ヘッドライト装着中。山本さんお手製のライトは明るくなりすぎないよう調節済です。
さあ準備万端!!これから探検にしゅっぱーつ!!行き先は真っ暗にしてある山本さんのスタジオです。
絵を描いている間は真っ暗なので撮影はできませんでしたが、みんなで描いた絵はこんな風になりました。どんな風に見えて描いていたのでしょうか・・・気になりますね。
黒い紙以外にも色紙やアルミホイルなどちょっと描き心地が変化する素材も入っています。
何かテーマとか決めておいた方がいいのかと悩んでいた山本さんの心配をよそに、こども達は自然と書きはじめていったそうです。
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今年の林間学校写真レポートは以上で終了です。
楽しい夏の思い出ができたかな・・・?