「作曲という冒険」
世代も創作の方向性もまったく異なる二人の作曲家。その大いなる違いのなかに何を見いだすことができるのか。この二人の作曲家のトークを通じて、作曲という表現行為には多様な価値をうけいれるだけの可能性が残されているのか? あるいは、辺境のなかをさまよいながら、あらたな価値を発見していくような「冒険」の精神を作曲のなかに貫くことができるのか? 二人の作曲家の予測不能のトークにご期待ください。

ARTS STUDY関連・トークプログラム
Composer to Composer -作曲家から作曲家へ-
第1回:2025年2月22日(土)18:00-20:00
第2回:2025年3月22日(土)18:00-20:00(オンライン配信あり)
会場:KOBE STUDIO Y3 スタジオ306
(神戸市中央区山本通3-19-8 海外移住と文化の交流センター 3階)
料金【会場参加】:ARTS STUDY受講者は無料/その他の方 500円
ご予約はお問い合わせフォームまたはお電話(078-222-1003)にて、イベント名、参加者のお名前とご連絡先(電話番号またはメールアドレス)をお知らせください。お問合せフォームから申込の場合は、事務局からの返信をもって予約完了となります。
料金【オンライン参加】:1,000円
オンライン参加ご希望の方はこちらからお申し込みください
注意:オンライン配信の実施は3/22の第2回のみで、2/22の初回は実施しません。
共催(第2回のみ):特定非営利活動法人 地域文化に関する情報とプロジェクト NPO recip
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山根明季子(作曲)
西洋芸術音楽と世界との繋がりから、大きな仕組みを捉え相対化する制作を行なってきた。これまでに過剰な消費や管理、少女性や痛みの感覚、ポップ、マスカルチャーに関係する主題を多く扱う。作曲作品に琵琶とオーケストラのための《ハラキリ乙女》、任意の編成のための《状態》、《カワイイ^_-☆》など。監修公演に神奈川県民ホール『CxC ジョン・ケージ x 山根明季子』、両国アートフェスティバル2024『二次創作』など。音を介した探究や対話の場を作ることを続けている。
藤枝守(作曲)
植物の電位変化データに基づく《植物文様》という作曲シリーズを展開。著書に『[増補]響きの考古学』など。近年のアルバムとして《ガムラン曼荼羅》や《エコロジカル・プラントロン》、《「電脳カフェ」のための音楽》など。現在、サンゴ骨格音響とガムランを組み合わせた《珊瑚ガムラン曼荼羅》を構想中。昨年10月にamazon電子書籍として『いまこそ聴きたい孤高〈マーヴェリック〉の響き~僕が出会ったアメリカ実験作曲家たち』(字像舎)がリリース。九州大学名誉教授。Ph.D. in Music (University of California, San Diego) 。

当プログラムは、芸術鑑賞を学ぶ連続講座「ARTS STUDY」の音楽講座関連イベントです。当プログラムの前にも藤枝守さんによるアメリカ実験音楽についてのレクチャーシリーズが予定されております。ご興味のある方はぜひ「ARTS STUDY」のご受講もご検討ください。
2月22日(土) 15:00~17:00
「コンロン・ナンカロウ: Studies for Player Piano」
1930年代にスペイン市民解放戦争に参加した後、合衆国の入国を拒否されたナンカロウは、メキシコ・シティに移り住む。そして、40年代以降、リズムとテンポの可能性を目指してプレイヤーピアノのための《習作》を作り続け、その数は五十曲を越える。その微分的な時間(micro durational)の世界は、リゲティによって「現存する作曲家による最高の音楽」と絶賛され、20世紀音楽の奇跡ともいえる孤高な作風を確立。
3月22日(土) 15:00~17:00
「テリー・ライリー:The Harp of New Albion」
1964年に発表された《In C》は、今年で還暦を迎える。《4’33”》と並んで20世紀において最も影響力があった作品のひとつ。たんに「ミニマル・ミュージック」とカテゴライズされるスタイルの始まりとしてではなく、この音楽には、演奏者どうしがアナーキーでフラットな関係のなかでアイデアを共有するという理想の社会モデルが映し出されている。また、純正調のピアノによる《The Harp of New Albion》では、この純正調の響きが発酵のような現象を引き起こし、ライリーの即興のエネルギーが放出されている。2020年のコロナ禍の影響で日本に定住することになったライリーの近況についてもふれてみます。
「ARTS STUDY」の詳細、お申し込みについてはこちら
https://cap-kobe.com/arts-study/
