今日のC.A.P. その1

 6月9日

 みなさんこんにちは。タニグチです。突然ですがわたし、C.A.P.の魅力を伝えるのに日記を書いたらいいんじゃないか?と思いました。そして思い立ったが吉日。早速書いてみました。わたしからみえているC.A.P.の風景や、今日あった出来事など楽しんでいただければ幸いです。そんでもってわたしの心の声がしっかり入ってしまっていますがそこはあたたかく見守っていただけるとうれしいです!

スタジオビジット

 出勤して事務所に行くと誰もいない。スケジュールを確認して思い当たる。なるほど、今日は程さんと川本さんの自己紹介プレゼンの日だ。C.A.P.では二月に一回ほどのペースでスタジオビジットと題し、部屋に所属する作家にお話を聞く会を開催している。どのような体験やどのような考えがあって、何を作ってきたのか。作家の概要を知り、頭の中を覗ける仕様になっている。

今回のおふたりは最近スタジオに入られた方々で、わたしもあまり面識がない。程さんは一度お話する機会があった。背が高くてボクシングをやってる、カートゥーン調の作品をつくる人、という印象。あとC.A.P.のインスタアカウントにやってくるメンションの通知数がすごい。川本さんは…六甲ミーツのイメージが強いなあ。と4階まで上りながら考える。そうこうしているうちに部屋の前でたかはしさんがちょいちょいと手招きしているのが見えた。程さんの分は終わってしまったようなので、川本さんのプレゼンを聞いてみる。ちょっときもち小さくなって出口近くに座った。川本まいさんといえば六甲ミーツの際に、薄暗い部屋で壁全面にプロジェクターを使って森の画像を映し出していたのが印象的だった。最初は写真だと思うのだが、きちんと鳥の鳴き声や空気の音、木々の擦れる音が入れられていることに気づき、そのうちに人物が描き足されているのにも気づく。ほんのすこしなつかしさを感じる、絵本をみているような気持ちになる絵・写真なのだ。あの薄暗い部屋のせいだったのか、少し涼しさまで感じたよな、と思い出す。

 わたしが行ったころにはお話がもう中盤あたりだったのでちょっと悲しかった(給湯器の取り換えに立ち会っていなければ来れたのに…)。川本さん、森に行くのが好きらしい。本当に行って、自分がそこで体感したものを作品にしているそうな。だから作品の風景の中に存在している人間は川本さん自身らしい。ふーん。最初から絵本のような世界を目指しているのだと思っていたから、自分を登場させているのがなんだか意外に感じられたわたしだ。川本さんは最近忙しいようで「うまく言葉にならない~」と零しながらお話されていたが、しっかりした語調で話した部分があった。

「高校のときの友だちと会って森に行ったんですけど。道中の話題がなんか無性に合わなくて。10年くらい別の働き方してたらもろもろ違うのは当たり前なんですけどね。でも森に行ったら、そこにあるもの、例えばあそこに鳥がいるねとかこういう音が聞こえるねみたいな話ができた、というか。少しずつ距離が縮まっていったのを感じたんですよ。それと同じ体験をしてほしいな、って思って最近は作品をつくってます」

「やっと30に差し掛かって自分はこういうのやってます、っていうのができてきたんですよね。わたしの作品、というかこれで作った空間に来てもらって、だれかと今そこの話をして何かを共有してほしいな、みたいな」

なんだかすごく染みる話だった。そして川本さん自身にとってこの体験が相当大きい、大切なものだったのだろうな…ということも伝わってきた。

 何か聞きたいことがある人!という築山さんの号令で他のスタジオメンバーさんが質問しはじめる。池原さんが言った。

「写真として、絵もあって、音も入っていて…って結構その、どう見ればいいんだろうって思っていたんですけど。さっきの話でなるほどな!って思いました」

どうやら同じように感じた人はわたしだけではなかったようだ。板一枚、画像ひとつを作品として扱うのではなく、それが作る空間・あわよくば体験までを作品と捉える。川本さんのこれからの作品の行く末が楽しみだなと純粋に思ったスタジオビジットだった。程さんの分聞けなかったのがなかなか悔やまれる。ああ。

ヒルトー―――――ク

 そのあとお昼を食べていたら、めずらしくお漫画のお話になった。今日のお昼メンバーはシモダさん、たかはしさん、河村さん、築山さん、池原さん、そしてわたくしタニグチである。アイシールド21の話とかC.A.P.で聞くことになると思わなかったんだが~ぎりぎりわかるラインで良かった~と思っていた。話題は、「ベルセルク完結へ始動」、「ワンピースが休載」、「HUNTER×HUNTER再開へ」とサザエさんの次回予告かというくらいテンポよく変わったが、そのたびに池原さんが「え?え?ニュース多いですねえ」と目を白黒させていたのがおもしろかったし、たかはしさんがしっかりどのニュースも知ってるのもおもしろい。そしてひとり「最近のわかんないな~」とごちているシモダさん。

「鉄腕アトム25巻全部持ってたんだけど、いない間に母親にすてられちゃった」

「ネットで見たら一冊5万もしたのに(笑)」

なかなか強いエピソードにみんなが唸る。シモダさんは持っているエピソードがやっぱり強めだよなあと定期的に思う。あれ、どうやってこのお昼の話締まったんだったかな…ちょっと忘れちゃいましたが、とりあえず河村さんは今日バナナチップス食べてました。おいしそうだったので今度買おうとおもいます。

たかはし農園

 そして今日最後のお話?は「たかはし農園」について。工作棟のそばでたかはしさんが育てていたというバジルやパクチーたち。その名も「たかはし農園」。オフィシャルではないですが、たかはしさんがポロっとおっしゃってた名前が気に入ってしまったのでタイトルに拝借。虫にことごとく農園メンバーを食べられてしまったと嘆いていたたかはしさん。事務所のデスクに数株移していたよなあ~と目をやると、そこにパクチーはもうなく。「あれはね、食べた。」とたかはしさんが答えてくれました。しかし外で育てていた分は大塚さんの木酢液をもってしても間に合わず、断念…。なんだか悲しい。それにしても現在の事務所デスク、なかなかに緑でにぎわっている。エアープランツ(小)に、エアープランツ(極大)、ちょっとわかんないけどきっと観葉植物×4に、かいわれだいこんみたいなの。かいわれ(仮)を指さして、「かいわれだいこんですか?」と聞いてみたら「バジルリベンジだよ」とたかはしさんは眼鏡を光らせた。

「こっちである程度まで大きくしてから、外に移そうと思って…」

「だからファーム的な。ね。」

近日中に、C.A.P.事務所からC.A.P.ファームに変わるかもしれない。