今日のC.A.P. その5

7月15日

みなさまお久しぶりです。タニグチです。大学の授業や催しで忙しく、2週間ほど顔を出せずにいました(面目ないです…)。その間にたかはしさんは髪が短くなり、4階と3階のイベントが終了しており、作家さんがより精力的に活動してらっしゃったり…なんというかいろんなものが夏本番仕様になっていました。

本日も3本立てです。

浅山美由紀さんの部屋

事務所についたのは授業が終わった後なので16時半近かった。「おーひさしぶりいー」と出迎えてくれたシモダさん、たかはしさんの他にはあまり人がいない。

「たぶん4階の部屋には作業してる作家さんが何人かいると思うよ~」というアドバイスを元にいざ4階へ。
そういえば元々わたしがこの日記を書こうと思ったきっかけはアーティストさんたちと触れ合うなかで、彼らの活動の様子を「何を考え、何をおもしろいと思っているか」という視点から―つまりアーティストさんの人間味がわかるエピソードをふんだんに盛り込むことによって―語ることはできないだろうか、と思ったからだった。いい迷惑かもしれない…と思うこともあるのだが、C.A.P.の「おもしろさ」みたいなものを伝えたり広げたりしたいと自分が考えるからこそ、できることをやってみようと手を動かしている。考え事をしつつ、目当ての八木さんを探してみたが入れ違いになっていたようだ…と引き返そうとしたところで浅山さんに出くわした。何やら荷物を両手に抱えてらっしゃる。

「お久しぶりです!」挨拶すると、「ほんとね…!」とお話してくれた。
「その両手の荷物なんですか」と聞くと、「この前のイカスラボで使わなかったのをやっぱり使おうかなって持ってきちゃった」と答える。そういえば浅山さんは今どんな作品を作ってらっしゃるんだろうか…浅山さんにくっついてお部屋にお邪魔した。

机の上には「ワイルドスワン」。上下巻がきちんと揃っている。「これもイカスラボに「材料」って提供されてたんだけど読みたかったから持ってきたんです」…ふふふと笑う浅山さんはお茶目な方だなと思う。そうか、自分が来ていない間にイカスラボも終わってしまったのか…
「本も材料ってすごいですね、」
言いながらぐるりと見まわすと部屋の床には大量の和紙のロール。いや和紙のロールって初めてみたな…。壁際には何かの形に切り抜かれた和紙がぶら下げられている。

「最近は和紙に葉脈みたいな模様をつける作品を作っててね、」

壁際に下げられていた和紙はこの作品だったようだ。プレス機で押されてできた模様がきれいに入っている。だからこの和紙の量なのか…と納得しかけるも、「これはね、お友達からもらったのよ」という浅山さんの言葉にびっくりしてしまう。こんなにたくさんの和紙を譲り受けることってあるんだ…。ざっと100枚はありそうだ。お友達のお母さまが自身の作品に使おうとしていたのを分けてもらったと話す。

和紙ロールたち

「ちゃんと全部、作品にして使わせてもらおうと思います」、浅山さんは柔和な目元でしみじみ言った。

浅山さんは帰りがけのわたしにフライヤーをくれた。現代芸術国際AU展に参加されているそうで、そのフライヤーだ。たしかにローマ字でMiyuki Asayamaと印字されている。普段C.A.P.でお会いすることしかないので、なんだか不思議な気持ちになる。9月にはお屋敷ひとつまるまる使ったイベントにも参加予定らしい。夏らしく精力的な様子にすごいと思わされるばかりだった。

池原悠太さんの部屋

なんだか浅山さんとお話して元気になったので、引き続きアーティストさんのお部屋に行ってみむとなむ思ふ。
てくてく歩いていると、池原さんのお部屋に辿り着いた。池原さんといえば液晶。縦に並んだ2台の液晶を前にして何やら細かい作業をしてらっしゃる。

「こんにちは」
声をかけると、ちょっと驚いた感じで「わあこんにちは!なんか久しぶりな気がする」とこちらもお話してくれる。

池原さんといえば、部屋にあまり物がないイメージだ。自身の作品が数点と作業をするためのパソコンと液晶。サイドテーブル。くらいしか物がない、はずだった。が、部屋にお邪魔すると、入り口近くに100号のキャンバスが12枚も置いてあった。12枚だ。なぜまたまた同じように大量にあるのだろうか、、、C.A.P.のアーティストさん方はおもしろい。

100号12枚

「あ、それですか?それはですね、9月に二条城で展示に参加するのに屏風を作るんですけど、その材料です」
「ちょうど4枚をジグザグに置いたのを1セットとして、3つ作らなきゃいけなくて…」

なるほど、Mの字みたいな屏風か。イメージしやすい。だがわたしが見た100号キャンバスは、すべて木枠の状態で壁に立てかけてあった。
「…でも…今って、、もう、7月の半ば…」
「アッ!それはっ…ああ言わないでくださいいい」
そろそろ危ないですと言う池原さんは本当に大変そうだった。同情を込めて「お疲れ様です。」とお辞儀する。

手元の作業もその屏風制作のための作業だそう。しかしタブレット端末を前に右手にはアップルペンシルを持つ一方、左手に握られているのはSwitchのコントローラー。

左手にSwitchのコントローラー

Switchのコントローラー。?マークを顔面に貼り付けたまま食い入るように見てしまう。

「このコントローラー、Bluetoothで接続できるんで、接続先をタブレットにして操作にショートカットキーを割り当てると作業がめちゃくちゃ楽になるんですよ」
言いながら池原さんはコントローラーをくるくる操作した。たしかに操作に合わせて画面がズームしたり回転したりする。軽やかで鮮やかで見ていて楽しい。文明の利器すげえという気持ちになるとともに、池原さんらしい工夫だなあと思う。

そして池原さんはまたいそいそと作業に戻っていった…作品に使うパブリックドメインの切り抜きだそうだ。C.A.P.のアーティストの活動も盛り上がっている。夏。

職場には炊飯器

2つのお部屋で久しぶりにお話してホクホク事務所に戻ると、たかはしさんが何やら大きな物体をカウンターに引っ張り出していた。シモダさんと「これなら一升炊けますかね」「うん、いけそうだね」と話している。
「それ、なんですか…?」聞くとたかはしさんが平然と

「これ?あ、炊飯器」

と答えた。すすすいはんき。炊飯器がC.A.P.にある。なぜ。
「31日のActe Kobeのときにカレー作るから、ごはんも炊かなきゃーって」
「昔はこういうのよくやってたんだよ」
シモダさんが付け足す。昔はみんなでご飯を食べながら、いろいろさまざまなパフォーマンスや出し物を観る会が活発だったらしい。コロナで全部吹っ飛んじゃったけど。

「じゃあ31日が久しぶりのそういう会なんですね、!」
「そそ」

ちょっと嬉しそうなシモダさん。ぜひおいでと言ってもらった。たくさん写真を撮ってたくさん投稿しよう。
みなさんもよろしければ7月31日、STUDIO Y3 5階にて開催のActe Kobeにぜひ足を運んでみてください。要予約なので参加の場合はご一報くださいますよう。

詳しくはこちら 7/31(日)Acte Kobe 披露宴【要予約】 – KOBE STUDIO Y3 (cap-kobe.com)